広島ピレラについて

8月30日時点で.268の7HRで20打点。得点圏は強いでも弱いでもなく、脚は平均より少し速いくらい、フォアボールはちと少ない……といったとこの選手。
まぁ言うなれば平凡。戦力にはなるけど、西川や松山ほどヒットが打てるでもなく、鈴木ほどの長打力と選球眼があるでもなく、野間ほどの脚や菊池ほどの守備があるでもなく、長野や松山がお休みのときにまあ安心して任せられるというぐらい……助っ人外国人として当たりでもなくハズレでもなく。
しかし妙に存在感のある選手だと思う。まず1つとして打撃のラッキー性。フルパワーでぶん回すけど芯に当たらない、芯には当たらないけどバットには当たる。そのフルパワーで打ち損じた打球が不思議と、たとえばよれよれのゴロがちょうど内野の間を抜けていく、ボールの上っ面をガチンと叩いたゴロが高く跳ねて内野安打、ゴロがなんとなく進塁打になる、3塁ランナーが帰ってこれるゴロになる、フラフラの小フライがポトリと落ちる、といったラッキーを引き起こすことが、他の選手と比較して多いように思う。その次に外野守備。守備範囲は広い方だし、肩もまぁどうだろう、肩は平均ほどか?そしてヒットの打球にも懸命に走って追いついて、ランナーの進塁を最小限に抑える。ファーストでの守備は送球に不安が見られたけど、レフトでの動きは優れていると思う。外国人選手の外野守備がこれだけいいというのは珍しいんじゃなかろうか?最後に、集中力っていうのはかなり高いと思う。なんせボーンヘッドを見た憶えが少ない。ピレラの「おおい!何やっとんねん!」ていうプレー、どれくらい見たことがあるだろう。ファーストやってるときに送球が逸れたのを見たことがあるけど、俺の憶えている限りではそれだけである。きのうの試合ひとつとっても、松山のfc、松山の悪送球、そのあとさりげなく鈴木が暴投、羽月はセカンドゴロの送球が遅れて内野安打、あと堂林のポロリ、曽根の悪送球。まぁ、内野手ってのはどうしてもミスが多くなりがちで、外野手はあまり無いんだけど、それにしてもピレラのボーンヘッドは見ない。ある試合で左中間に飛んだヒットをカメラが追っているのに、いつまで経ってもセンター西川がフレームインしてこなくて、それどころかレフトのピレラが追いついてスライディングしながら捕球し、ノータイムで2塁へ鋭い返球をしてバッターランナーを1塁に留めたことがある。西川はどこ守っとんねん!?という感じだけど、ピレラのこの非常に集中したプレーには感嘆させられた。高い集中力と確実性、不思議かつ何かしらの意味を持つ打撃、これらがピレラという選手の魅力たらしめているのではないかな、と思うんですけど、ピレラに魅力を感じる人は少ないのか、あんまり注目されてないですね(笑)
ピレラのプレーというのは野球のお手本であると言っても過言じゃないと思うんです。