めし

きょうは死んだじいさんの四十九日の法要があった。坊さんがお経を読んで墓に納骨したあと、ばあさんが手配したであろう豪華な料理が振る舞われた。おれはうまいとか、まずいとか、変な味だな、とか思いながら、出された料理を全部たいらげたんだけど、集まった親戚のじいさんばあさん連中は、けっこう料理を残していた。むかしから日本人には食事を残してはいけないという暗黙の了解があったように思うけど、それは年寄りほどその決まりを守りそうなものだけど、おれの親戚連中はけっこう無視していた。まぁ、どうこう言うつもりはない。おれが出されたメシを全部たいらげるのは、単なるおれの自己満足、おれの主義によるものであって、他人がメシを食い残していても、特に怒るとかいうわけじゃないんだけど、しかしあんたたち、むかしは自分の子供に「ごはんは残さず食べなさい」と教育していたわりには、自分は残すんだな、って思わなくはない。