ニート、就活の思い出を語る

いわゆるITエンジニアになってやろう、と思って、その手の企業の説明会やら面接やらをまわっていたことがある。まわる、といっても、5社だけだ。1社目で、嫌になった。俺は、当時、25歳であったが(現在は27間近の26)、世間一般で見れば、25歳は若者の部類である。自分も、若者と自覚していた。しかし、そうではなかった。1社目の説明会に参加したとき、ショックを受けた。自分より若い人が、その空間に満ちていた。自分より若くて、大学を出たり社会人経験のある、つまり「ちゃんとした人」に満ちていた。俺は、たちまち狼狽した。いたたまれなくなった。逃げ出したかった。気でも触れそうになった。嫌な汗が止まらなかった。ちゃんとした若い人たちに囲まれて初めて自分が「ダメなオッサン」であることを痛烈に自覚させられ、自分の居場所など無いことを突きつけられた。そのショックもあって、つくづく、就活が嫌になって、すぐにやめた。逃げ出した。社会が空恐ろしく感じた。