死ぬほどモテない男ども集合

あまりの虚無に耐えられなくなりマッチングアプリに登録したが、いざメッセージをやりとりしてみると、やれ「金銭面の援助をしてくれる男性を探しています」とか、「お店で働いているので飲みに来てください」とか、つまるところ俺をエサにしようとする女のユーザーばかりで辟易した。そういえば過去にもとつぜん知らない番号から電話がかかってきて、出てみると女性で、何者なのかわからないまま話していると、だんだん楽しく会話できてきたところで、「ところでわたし宝石を売っているんですけど興味はありませんか」って…。俺はこーゆーやつとしか縁がないのか?もううんざりだ。というか俺はいい加減にあきらめたらどうなんだ、一生女に縁なんてないんだ。いいじゃないか、セックスなら風俗に行けばできる。古代のモテない男はきっと死ぬまで交尾にありつけなかっただろうけど、現代はセックスだけなら金さえ払えばできるんだから、なんていうか"つがいを探す"なんて原始的な行為にこだわらなくてもいいだろ。そりゃ、まぁ、好きな女性と楽しく会話するとか手をつなぐとか食事するとか、そういう幸福は味わえないけど、でも、ひょっとしたらさ、幻想なのかもしれないぜ、そういうの。街でカップルが手をつないでニコニコしながら話しててもさ、こいつの話つまんねーなとか、手が気持ち悪いだとか、はやくヤらせろよとか、そーゆーこと考えててストレスなのかもしれないぜ。俺はただ幻想を追いかけていただけで、リアルのところで女ってのは「金銭面の援助をさせよう」とか「店に来させて貢がせよう」とか「宝石を買わせよう」とか、採算度外視の純粋無垢ないわば猫と猫がじゃれあうような動物的な快楽の追及を目的とした繋がりを求める女なんてこの世にひとりとして存在していなくて本当は"利益"のことしか考えてないんじゃあないのか?だったらさ、もういいだろ、俺はただじゃれあいをしたかっただけなんだから。恋なんてものは最初から存在しなかったのさ。