感謝

アスリートがよく「親に感謝してます」とか「コーチ監督チームメイトに感謝してます」とか、やたらに感謝感謝とウザい言葉を口にする。おれはこの言葉がきらいだ。なにが感謝だ、他人なんてカスだ、ふざけるなって感じなんだ。アスリートに限らずやれ平和な世の中に感謝だの食べ物に感謝だの、もはや日本人はカルト教団感謝教に洗脳されているといって差し支えない。いじましい。
で、おれはきのう草野球の練習があったんだけど、なんとおれ以外チームの人間だれも集まらなかった。おれはグラウンドにひとりポツネンと立ち尽くしたり、ひとりわびしくバットを振ったり、わびしく壁にボールを投げたりして、は?なんでだれもこねーんだよ、ざっけんなクソが、ってな具合できのうは一日中はらわたの煮えくり返る思いでいた。そしてきょうは大きな球場の投球練習場を借りてピッチング練習をするスケジュールだったんだけど、これまたおれと、あともうひとりBさんだけしか集まらなかった。予定時間は9時から12時までなんだけど、Bさんは「11時に帰らなきゃいけない」と途中で帰ってしまった。それまで二人でキャッチボールをしていたんだけど、Bさんが帰ったあと残りの1時間はおれはひとりポツネンとベンチに座ってボンヤリしていた。つまらなかった。
……で思ったんだけど、キャッチボールの相手とか、ノックを打ってくれる人がいるってのは、すごくありがたいことじゃないのか。野球は一人ではなんにもできないのだ。長いこと野球をやっていると、キャッチボールの相手がいるとか、ノック打つやつがいるなんてのは、当然、あたりまえのことだと、そう思うようになってしまうんだけど、感謝なんて腹の立つ言葉はできれば避けたいけど、キャッチボールの相手をしてくれる、ノックを打ってくれる人がいる、これらのことは本来とてもありがたくて、感謝すべきことなんだろうなと、この2日間で思った。